PROGRAM
指 揮:パスカル・ヴェロ
フルート:立花千春
和田 薫:管絃楽のための交響的印象-海響-
モーツァルト:フルート協奏曲第2番ニ長調K314
第1楽章 アレグロ・アペルト
第2楽章 アンダンテ・マ・ノン・トロッポ
第3楽章 アレグロ
<休 憩>
チャイコフスキー:交響曲第4番へ短調op36
第1楽章 アンダンテ・ソステヌート〜モデラート・コン・アニマ
第2楽章 アンダンテ・イン・モード・デイ・カンツォーナ
第3楽章 スケルツォ〜ピッチカー卜・オスティナート(アレグロ)
第4楽章 アレグロ・コン・フォーコ
和田 薫
管絃楽のための交響的印象-海響-
この作品は、「銚子ハーモニー」及び銚子市民の委嘱により、1998年春より着手、同年9月に脱稿いたしました。
当初、新星日本交響楽団の方から作品委嘱のお話を伺った際、私の銚子に関する知識といえば、犬吠埼に代表される美しい沿岸、我国有数の漁港、永い伝統に育まれた醤油の産地等々でした。しかし、当時まだ一度も足を運んだことの無い地の音楽を創作することは、冒険にも似たリスクと期待がありましたが、幸い、私の郷里も下関という港町であることもあって、最初に訪れた時は、町の空気に大変親近感をおぼえたものでした。更に、夏の盛り、祭りのお囃子を取材に行った際には、その雄壮ぶりに大きなインスピレーションを受けました。
曲は、「自然、人、祭り」をテーマに4つの部分から構成されています。冒頭に、太平洋の荒波が犬吠埼に打ち付ける姿をイメージした部分から始まり、日本の代表的な民謡でもある「大漁節」やお囃子の「早打ち(早馬鹿)」などをモチーフとしたコラージュ的な部分。そして最後は、そのお囃子をテーマにエネルギーあふれるアレグロで曲を閉じます。
この作品が、新星日本交響楽団の熱い演奏のもと、銚子の皆さんに広く永く愛され続けられることを願っております。
作曲家 和田 薫