金沢の市街地を流れる浅野川上流に金沢の奥座敷と言われる落ちついたたたずまいの湯涌温泉がある。この湯涌地区に、長年にわたり金沢百萬石太鼓が伝承保存されてきた。
300年前、農業を営む地域の住民達が年間の最大行事として稲害虫の多発期に夜毎大きな篝火を焚き、害虫を焼き払い、その生き残りを太鼓の音で送り出す、虫送り太鼓を基に、日照りが続いた時雨が降るようにと神仏に祈る「雨乞い」や米、麦、粟、キビ、豆等の五穀豊穣を祝う祭りなどで村の若者達が夜の更けるのも忘れ太鼓を打ち鳴らしたことに始まっている。農業の近代化に伴い一時は枯れつつあった和太鼓を町の有志により昭和47年から復元され、代々受け継がれ現在の太鼓となった。素朴で単調ながら、なぜか心打たれる太鼓を湯涌古来の伝統を守りながら、創作太鼓をまじえ世界の平和と人々の友好親善の絆がより強くなることを希望しながら活動を続けている。
10] 神戸川太鼓(かんどがわだいこ) 島根県 演奏曲 HIRYU(ひりゅう)
故郷に新しい文化を創ろうと、地元の若者達が結集し、神戸川太鼓を結成して12年が経ちました。
練習場がなく、地元から6km離れた採石場をホームグラウンドにし、星空の下、夜中の練習を日々行っております。
他の太鼓集団にはない、オリジナリティーを出すため6年前からの曲はすべてメンバーで創り出し、神戸川太鼓オリジナル曲として太鼓を打ち込んでいます。
年間、60ヶ所以上の演奏活動を精力的にこなし、「腕はなくとも、伝わるステージを!」をモットーに日々太鼓道に精進しております。
本日の演奏曲「HIRYU」は、静かなケーナの響きから始まり、大太鼓を中心に、締、小、中太鼓を使ったドラム打ち、中太鼓の豪快な横打ち、そして、チャッパ拍子木、鈴などの鳴り物を使った、賑やかで勇壮な曲です。