日本財団 図書館


140-1.gif

 

大城 金八(おおしろ きんはち)(昭6.1.19生・沖縄県島尻郡知念村)

昭和43年5月沖縄県島尻郡知念郵便局の郵便集配業務の委託を受けて以来、漁業を営む傍ら30年余にわたって郵便集配業務に精励し、地域住民の生活向上と安定化に貢献された。

1] 昭和43年5月、責任感の強い誠実な人柄と明るい性格を認められて、沖縄県島尻郡知念郵便局の郵便集配業務受託者となった。以来毎日、知念郵便局から久高島住民の郵便物を受け取って、自身の船で運んだ上、久高島(115世帯、人口250名)の受持地区において、1日平均100通の郵便物をオートバイに乗って配達し、また、郵便差出箱の開函を行い、知念郵便局に届ける業務を行っている。

久高島は、沖縄本島南部・知念半島の東方約6kmに位置する小島で、気温は5月から11月までは30度を超え、7月から9月にかけては毎年何回となく台風が襲来する。危険な状況に至ったことも数限りなくあるが、対岸の島民の期待を背負って余程のことがない限り休むことなく、自らの天職と心得て業務を遂行している。

2] 氏が郵便集配業務を受託した頃の島の道路は完全には舗装されてなく、でこぼこ道を埃をかぶりながら、また雨天時にはぬかるんだ悪路となる中を、オートバイを手で押して配達、また徒歩による配達作業を行うなど困難を極めた。明朗活発な性格と忍耐強さを持ち、“島の郵便屋さん”と住民に親しまれ、「ありがとう。いつも配達ご苦労様。」と感謝されるのを生き甲斐として、郵便の集配を行っている。

3] 平成元年7月27日、知念半島北東部安座真の空き地に陸揚げしてあったエンジン付きボートでかくれんぼをしていた小学生3名が、誤って船底に落ち3時間も閉じ込められていたのを救助した。

永年の集配で地域を知り尽くしている氏の、日頃からの住民への細やかな気配りと心遣いが子どもたちの危難を救ったといえる。

過疎と高齢化が進行する中にあって、若い後継者が現れるまではと、住民のために貢献している。

((財)逓信協会推薦)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION