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大塚 信子(おおつか のぶこ)(昭13.10.12生・熊本県熊本市)

多年にわたりハンセン病施設において看護婦教育の構築、入園患者の療養生活の向上など、看護医療を通じて福祉の向上に貢献された。

1] 昭和47年国立療養所菊池恵楓園に着任以来25年余にわたりハンセン病入所者の看護に努めている。同年4月から附属准看護学院に専任教員として5年間勤務の後、同国での附属看護学校(進学課程全日制)の課程切り替えに携わり、ハンセン病療養所における看護婦教育の礎を築き上げ、さらに5年間進学課程の学生教育に関わった。

同57年病棟(内科・老人科)において、看護婦長として教官時代の信念に基づき、まず療養環境整備に取り組んで、看護の基礎を導入した。同60年九州3園治療センターの合併症治療棟においては、眼科手術や透析を必要としている入所者に他園・当園の区別なく、高度な医療と看護の提供ができるシステム作りと看護教育にあたった。

特に透析においては、園外の研修の積極的な受講をすすめることはもとより、病棟内の研修に取り組み現在の透析看護の基礎を作り上げた。同63年眼疾患や高齢化による眼科の重要性に早くから着目し、診療管理棟(治療棟)の整備に反映させた眼科外来を医師とともに構築している。

2] 平成3年4月から不自由者棟(特重・重)の婦長として介護力の強化と入所者の個性を重視した、不自由者棟看護・介護に尽力した。不自由者棟全体の介護マニュアル作成や介護員の年間研修計画立案・実行により介護員のレベルアップをおこなった。

3] 同8年4月「らい予防法廃止」の実現を入園者とともに喜んだが、同4年から啓発活動に取り組み予防法廃止以前から地域社会との交流など率先して新しい方向の実現に向けて協力し、職員との融和、理解を推進してきた。また、同9年4月からは合併症治療棟婦長として、同10年竣工予定の新病棟準備委員としても活躍を続けている。

((財)藤楓協会推薦)

 

 

 

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