元吉 範雄(もとよし のりお)(昭12.6.18生・和歌山県海南市)
自らの1級の重度視覚障害という困難を見事に克服し、マッサージ業を営む傍ら障害者団体等の要職を務め、障害者の健康管理と福祉の向上に貢献された。
1] 1級の重度視覚障害者でありながら、昭和33年4月以来自宅でマッサージ業を営み、重度障害者の自立更生に大きな希望を与えている。
同年以来現在までの40年間にわたり南海市視覚障害者協会及び同市身体障害者連盟の会長として会員の信頼も厚く、民主的な会の運営に努め、意欲的に身体障害者の福祉増進に取り組んでいる。
同59年から平成6年にかけては、市の中央人権尊重委員会委員として、障害者の人権尊重を幅広く市民に訴え、障害者に対する理解と認識を深める為の啓発に大きな力を発揮し、また、市社会福祉協議会に専任手話通訳者の設置を働きかけ、その実現に大きく寄与した。
2] 障害者の健康づくりの面においても積極的に取り組み、経済的な理由から医療機関での受診が出来ない障害者に対し、県下で先駆的に単独医療費の助成を実現するとともに、福祉団体を通じた定期的な健康診断を働きかけ、障害者の健康管理についても積極的に推進している。
3] 昭和50年から現在まで身体障害者相談員を委嘱されているが、温厚で世話好きな性格で会員からも信頼されており、職業、住宅、医療、結婚等多くの問題について相談を受けると、自業も顧みず、相談者と共に福祉事務所や職業安定所等へ出向くなど、該博な知識と誠意を持って障害者の不安解消と、生活の安定に大きく寄与している。
(和歌山県推薦)