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香西 智行(こうさい としゆき)(昭15.6.3生・北海道札幌市)

自らが車椅子を使用する身の困難を見事に克服して、身体障害者の介助器具の製作、修理・改良を行う福祉機器研究所を設立、身体障害者の社会参加促進と福祉向上に貢献された。

1] 昭和30年15歳の時に進行性筋ジストロフィーと診断された。「体の不自由な点をカバーする機械を発明して40歳まで生きる」と決心し、進学を取りやめ父親の経営する自動車会社に入社、自動車の修理を通じて理工学を独学で勉強した。26歳までに各種自動車の運転免許、ガソリンエンジン、シャーシの整備士資格、溶接技能士等の技能・資格を習得し、技術・知識の基礎をマスターした。

氏の考えの特徴は、体が不自由ならばそれを補う器具・機械を作って生活の幅を広げ、社会参加・社会貢献を果たすというところにある。氏の技術を見込んで多数の障害者が「自分の使用している器具が自分に合わない」との理由で、新規製作・現用器具の改良を依頼してくることから、同59年1月障害者の使用する各種福祉機器の調査・研究と製作、修理・改良を行うコウサイ福祉機器研究所を設立、これまでに約200種3000件以上の器具製作、修理・改良を行い障害者の社会参加に貢献している。

2] 平成元年6月1日から7月23日までの52日間、開発したサイクリング用車椅子三輪車を胸椎損傷の車椅子ランナーに託し、団長として12名のスタッフとともにカナダのモントリオール〜バンクーバー間約5000を、途中各地の公共機関・障害者団体等と親善交流を重ねつつ完走し、研究所の技術レベルの高さを実証するとともに、日本・カナダの障害者の友好を深めるなど国際交流にも尽力している。

3] 平成2年9月札幌市において開催された日本筋ジストロフィー協会第15回全国成人大会を実行委員長として担当、円滑に議事を進行し大会を成功させるなど同協会理事・北海道本部長として、患者に対する深い配慮のもとに積極的に活動している。

((社)日本筋ジストロフィー協会推薦)

 

 

 

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