内閣総理大臣の祝辞
本日ここに、常陸宮同妃両殿下の御臨席を仰ぎ、平成10年度社会貢献者表彰式が挙行されるに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
今日、わが国は、急速な少子高齢化、情報化、国際化などが進展する中で、大きな変革期に直面しております。
政府といたしましては、このような内外の変化を踏まえ、わが国の経済・社会システムを、二十一世紀における知恵の時代にふさわしいものに変革すべく、全力を尽くしているところであります。
そのため、わが国においては、二十一世紀に向けて、全ての人々が、夢と希望、他人への思いやり、そしてかけがえのない地球を愛する心を持つとともに、次代を担う子供たちがたくましく心豊かに成長することのできる社会環境を創り出すことが、強く求められています。このような社会を築くためには、政府の施策とあいまって、国民一人一人の積極的な社会貢献が不可欠であることは申し上げるまでもありません。
私は、このような意味からも、日夜社会の各分野において地道に、世のため、人のために全力を尽くしておられる方々の御努力が極めて重要な意義を持つものと考えており、何よりも大切にしてまいりたいと思います。
本日表彰を受けられた皆様は、身を挺して人のために尽くされた方、国際社会への貢献に尽くされた方、社会福祉の向上に尽くされた方など、いずれも社会に対して大きな貢献をなされた方々でございます。その御貢献に対し、深く敬意を表しますとともに、殉職された方々に対しましては、心から御冥福をお祈り申し上げます。
終りに、皆様方におかれましては、今後とも健康に御留意の上、より良い社会の建設のために一層御活躍されますよう心から祈念いたしまして、私のあいさつといたします。
平成10年11月9日 内閣総理大臣 小渕 恵三