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考えてみれば、当たり前で、世界中で輸入したり輸出したりしているわけです。それを生産する技術というのは、日本とアメリカとドイツで、本来そんなに違うはずがない。同じ先進国ですし、もしアメリカで何か素晴らしいことが起きたら、それを日本やドイツがまねをして、100にはならないかもしれないが、120ぐらいで収まるということで、そんなに歪むはずがないのに、歪んでいる。それはなぜかというと、規制による。

日本には、こういう構造問題と、金融危機がある。金融危機は、結局先延ばし政策で大きくなったのではないか。要するに、サラリーマン根性というか、役人根性というか、小さな失敗を防ぐことがいいことだと思い込んでいるのです。それはしょうがないのです。私もそれをやっています。これを役人がやっているのは仕方がないのだけれども、日本人全体が小さな失敗を防ぐことがいいことだと誤解している。しかし、小さな失敗を防ぐことこそが、危機をもたらすのではないかと思います。

ある韓国人が、「韓国の銀行にはCEOがいない」と言うのです。本当の経営者はいないと言うのです。自分の任期の2年ぐらいを何とかごまかせばいいと思って、本当の問題に対処するという人はひとりもいない。だから韓国はだめだと言っているわけですが、まさに日本のことを言っているようです。

レーガン大統領は、初期の時代には、倒産がいっぱい起きて大変だと言われました。すると、「倒産が何で悪いんだ」とおっしゃったのだそうです。やはりすごい人だと思います。レーガンという人は、部下には3つのことしか言わなかったそうです。ひとつは「税金はとるな」。2番目は「ソ連に負けないように、軍備は拡大しろ」。3番目に「財政赤字は出すな」とおっしゃった。そんなことが実現するはずはないのですが、全部実現してしまった。

それから、日本経済がうまくいっていないのは、まずい金融政策が問題を大きくしています。80年代の終わりか90年代の最初まで、マネーサプライの伸び率は15%からマイナス3%まで、大きく振れ動いたわけで、これはまさにマネーのジェットコースターです。こういうことをすれば、経済が混乱するのは当たり前です。この背景に為替レートの問題があるわけですが、為替レートを動かさないでマネーを増やすというのはできないということが、1930年代の経験からいえるのではないかと思います。このいちばん下の図で、ちょっとわかりにくいかもしれませんけれども、金本位制から早く脱却し

 

 

 

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