第1部 発言内容
司会者 「アジア経済と日本の経済情勢」というタイトルで、大体9時20分から30分ぐらいまでお話をいただいて、その後質問をお受けしたいと思います。ではよろしくお願いします。
1. 講師報告
原田 経済企画庁の原田です。よろしくお願いします。
前にも聴衆として出させていただきまして、そのときは皆さん大変討論をなさりたいという雰囲気でした。普通のところ、1時間しかしゃべらないで後が余ってしまうと、司会者として困るといわれます。皆様のご意見、特にこの席のように、せっかく素晴らしい方たちが集まってくださっているわけですから、そういう方々の意見を聞くということは、私にとっても勉強になりますので、一石二鳥です。これを外交的にいうと、皆さんのために討論の時間をたっぷりと残しているということになりますが、真実は、自分の勉強になるから討論の時間をたっぷりと残したいということです。
「アジア経済1998」について
まず、本日お話することは2つの部分に分かれています。ひとつは、つい6月に「アジア経済1998」(経済企画庁調査局編 大蔵省印刷局発行)というのを出しまして、アジアの通貨危機がなぜ起こったのか、今後の展望はどうなのかというレポートを作りました。そのレポートについての説明が第1です。
第1の部分は、理論的に新しいことを述べているわけではなくて、多くのエコノミストが賛同するようなことを整理したものです。とはいっても、エコノミストもちゃんと事実を確かめていない部分がいっぱいありますので、それについて、なるべくわかりやすいグラフをいっぱい書いたというのがこのレポートです。これはお読みいただくとして、次に入りたいと思います。2番目はアジア通貨・金融・経済危機に関連した5つの話題です。
アジア危機の要因と防止策
まず、アジア通貨危機の要因と防止策についてです。要因は、対外債務が大きい、つまり借り過ぎていたことです。なぜ借り過ぎていたかというと、為替レートが過大評価