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2.3 小型高効率熱交換器の研究

a)熱交換器性能解析

1)目的

熱交換器を設計するにあたり、昨年度はSMGT 用再生熱交換器の主に向流部について基本設計を行った。今年度は、ガスと空気の入出口にあたる斜流部を含めた具体的な構造を選定し、さらに支持方法を検討し、性能解析により要求仕様を満足することを確認する。

2)要求仕様

熱交換器の温度効率は83%で、ガス温度は946.2K(673℃)から671.65K(398.5℃)に低下し、空気側は0.81MPa(8.27kgf/cm2)に圧縮された空気が562.8K(289.6℃)から881.0K(607.8℃)に加熱される。圧力損失は、空気側が3%、ガス側が4%である。

3)結果

3.1)熱交換器の全体形状

空気の入出口を、熱交換器のタービン側1方向とする案と側面の2方向とする案を比較検討した。2方向とすることにより、各空気ヘッダを流れる空気量が低減することから、空気ヘッダを含む斜流部を小型化でき、熱交換器全体としても小型化できることがわかった。しかし熱交換器の側面から空気配管が出っ張るため、空気ヘッダをタービン側1方向とする案を採用した。

熱交換器の支持方法を図2.3-1に示す。熱交換器を支持するためには、荷重を分散する必要がある。このため熱交換器は、積層する全ての隔離板の向流部側方に、耳状の張り出しを設け、その張り出しをケースの荷重受け部に載せる方式とした。熱交換器をつり下げる方式もあるが、つり下げ用の穴などの強度の面から、荷重受け部に載せる方式とした。熱交換器の外形を図2.3-2に示す。

3.2)熱交換器の性能解析

熱交換器の小型化のため、空気側フィン高さを、昨年度の2.3mmから2mmに細密化した。

図2.3-3に示す条件で、積層高さHをパラメータとして、性能計算を行った結果、積層高さHを1.2m以上とすることで、SMGT用熱交換器の目標温度効率83%およびガス側圧力損失4%以下を満たし、かつ熱交換器の寸法は昨年度に比べ約10%小型化することができた。

次年度は、熱交換器をエンジンに搭載する方法を考慮し詳細設計に着手する。

b)熱交換器性能試験装置

1)目的

熱交換器部分段数供試体とケースについて、前項で設定した構造・寸法に基づく詳細設計を行い、製作図を作成する。また、斜流部に使用するフィンの製作を行う。

2)試験装置の設計

熱交換器部分段数供試体とそのケースの設計を実施した。図2.3-4,図2.3-5に熱交換器部分段数供試体とケースの外形を示す。試験装置の流量から、部分段数供試体は8ペアとした。ケースは水平方向に設置することとした。

 

 

 

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