上記定格点及び部分負荷条件での速度三角形データを基にV型パワータービン翼の空力設計を実施した。設計の結果得られた翼形状を図2.2.2-10 から図2.2.2-15に示す。また、各翼列のミーン断面位置での翼面マッハ数分布を図2.2.2-16から図2.2.2-21に示す。翼面マッハ数分布については、エンジン定格点と部分負荷条件の2ケースをそれぞれ示してある。
3.2.2)翼振動強度解析結果
上記定格点における振動強度解析を行った。クリープ強度検討結果と高サイクル疲労(HCF)強度検討結果を図2.2.2-22から図2.2.2-23に示す。これらより、設計仕様を満足する強度を有することが確認された。
また、詳細構造設計を前に、強度解析プログラムを作成した。強度解析プログラム導入前後の構造設計フローを図2.2.2-24に示す。従来の設計では、FEMモデル化を2段階に分けて、しかも、手作業により実施していた。しかし、今回作成した強度解析プログラムの導入により、FEMモデル化は、自動的に行われ、しかも、より実物に近い形状のフルモデルを作成できるようになった。結果として、翼設計全体の時間が短縮され、より高度な最適設計が可能となった。
3.3)V型パワータービン全体計画
V型パワータービン空力流路設計結果、ならびに翼設計結果を基に全体構造計画を行い、V型パワータービンとガスジェネタービン間のローター部、ケーシング部、マウントシステム、2次空気システム等のインターフェイスについて検討、調整し、基本構造が成立することを確認した。これにより、平成11年度からの本格的な構造計画と強度解析作業をおこなうための準備が整った。V型パワータービン部の全体計画図を図2.2.2-25に示す。