装置の断面図を図2.1.2-7に、供試翼の写真を図2.1.2-8に、センサーの写真を図2.1.2-9に示す。
c)F型軸流圧縮機供試体の設計及び解析
圧縮機に与えられた仕様、主要寸法、必要な計測項目等を考慮して軸流F型圧縮機の静翼、動翼、ケーシングを含む供試体を設計・製作する。合わせて圧縮機試験装置へ結合する給排気ダクト、潤滑油配管及び計測器を含むモジュールとして設計・製作を行う。
平成10年度は、平成9年度の性能解析・強度解析・流れ解析の結果を用いて、供試圧縮機の本体部の改善設計及び詳細設計を実施した。断面図を図2.1.2-10に、フローパスを図2.1.2-11に示す。効率改善のために翼負荷を見直した結果、第2段及び3段の平均径を若干増加させた。
昨年度の流れ解析結果を元に第1段動翼について設計見直しした形状に対する3D-CFD解析結果を、チップ部(90%スパン)、ミーン部(50%スパン)、ハブ部(10%スパン)それぞれ図2.1.2-12〜2.1.2-14に示す。昨年度の解析結果ではチップ部及びミーン部に減速度合の大きい領域が見られたが、今年度の解析結果ではハブ〜ミーンにかけては滑らかな流れにすることができた。チップ部については昨年度の流れよりかなり滑らかな流れになったが、前縁からコード比が約50%の背側面の部分ではまだ減速度合いが大きかった。そこでさらに改善設計を実施し、その後の第1段動翼チップ断面形状を平成9年度と比較して図2.1.2-15に示す。
詳細設計として、増速機アダプター、吸気ケース、及び遠心段との取合い部をV 型軸流圧縮機及び遠心段と調整して設計した。さらに供試体動静翼、ディスク、軸、ケーシング、及び要素試験での計測機器及び取り付け部等の詳細設計を実施した。