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研究成果

 

1章 SMGTの全体設計

 

1.基本仕様・基本設計(平成9年度)

SMGTは、舶用主機という用途、非常に高い熱効率及び低いNOx値を開発目標としているため、研究仕様を明確にしておく必要がある。また、5社の共同研究であるため、分担するコンポーネント相互間の条件を明確にして研究を行う必要がある。

6カ年計画の初年度にあたる平成9年度に次の様なSMGTの基本仕様を設定し、これを基に研究開発を行うこととした。

(1)要素の目標性能、要素形式

軸流圧縮機、遠心式圧縮機、燃焼器、ガスジェネレータタービン、パワータービン、熱交換器等のガスタービンの主要な要素と、要素間及び要素外の効率、損失等について詳細な検討を行い、要素の目標性能仕様、要素形式を設定した。

(2)要素間の性能取り合い

要素毎に各社で分担して研究を行うことから、要素間の取り合い(温度、圧力、流量等の入口、出口条件)を明確に設定した。

(3)設計要求条件

用途が舶用であるため、関連規格の調査も含めた検討を行って運転条件、姿勢、設計寿命等の設計要求条件を設定した。

(4)計測・評価方法

研究の基礎となる熱物性、効率等の定義、計測方法、評価方法、語句、用語等について検討を行い仕様を設定した。

 

開発にあたっては、定格出力での性能を最も重視する用途を想定したF型SMGTと、定格点の出力とともに部分負荷での性能も重視したV型SMGTの2種類の型式を設定した。

また、各要素の基本計画データを基に、基本設計(全体計画図)を行った。この計画図により各要素間の取り合いの問題点、ロータダイナミックス解析結果による構造の問題点等の検討を行い、変更すべき点等を協議し、その結果を各要素の基本設計に反映した。

 

2.平成10年度成果

平成10年度は、全体設計に関し、次の事項を実施した。

(1)各要素間の構造上の取合い検討

(2)ガスタービンの装備・支持方法の検討

(3)研究進展に伴う設計仕様の再検討

(4)研究成果を取入れたガスタービンの全体計画図の修正

表1に目標設計点性能、表2に各部形式を示す。

平成10年度の検討結果を反映した全体計画図を、図1V型ガスタービン構造断面図、図2F型ガスタービン構造断面図、図3ガスタービン外観図に示す。

 

 

 

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