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以上により算出した内航、漁業、レジャー及びマリンバンカーとして船舶が使用した世界全体の燃料消費量を表3.3-39に示した。項目別にみると最も燃料消費分が多いのがマリンバンカー払出分であり全消費量の70%以上を占めていた。内貿は全体の16%と少なかった。燃料種類別にみるとHeavy Fuel Oilが最も多く全体の61%を占めていた。

 

表3.3-39 世界全体における燃料種類別燃料消費量(推定値:1995年)

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Gas/Diesel OilはMDO、Heavy Fuel OilはMFOに相当する。

 

3.3.4 舶用燃料性状に関する調査

(1)舶用燃料の現状

MFOの名称で呼ばれる燃料の範囲は非常に幅広く、常温ではほとんど固体に近いような残さ油までが対象である。こういった低質燃料も実際にディーゼル燃料として用いられ、一般的には50℃での動粘度により180cSt(センチストークス)級や380cSt級といった名称が用いられることが多い。実際の内航船で使用される燃料は、通常の陸上の区分と同等で、A重油、B重油、C重油という区分けでJISの規格がそのまま当てはまる。

内航向けの重油燃料の性状は他の石油製品の需要に大きく左右される。これは国内流通の重油全体に占める船舶用需要の割合が15〜20%程度であり、燃料供給業者にとって大きな需要対象となっていないためである。

外航船に用いられるボンド重油(保税扱いのMDOとMFO)は、価格面の競争によりほとんど輸入品である。昭和シェルへの聞き取りによると、全国で積み込まれる全燃料のうちMDOでは99%以上が、MFOでは9割程度が輸入品と言われている。

 

 

 

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