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ただしエネルギー生産・需給統計年報には漁船によるガソリンの消費が計上されていない。そこで、漁業によるガソリンの消費量については推定により算出した。まず水産庁より刊行の漁船統計表によって国内の漁船の隻数、総トン数、搭載主機の馬力数について整理を行うとともに、おおよその稼動状況を推定した。

表3.3-15に示すように、漁船統計に記載された全登録漁船354,689隻のうち、ガソリン機関の割合は約47%と半数近くを占めており、その平均馬力は30漁船馬力と小さい。ガソリン機関は、内水面漁業や採貝藻漁業など小規模な漁業に主に使われ、船外機など小型の船舶に搭載されることが多いと考えられる。ここでは、ガソリン機関は船外機のみで使用されていると仮定した。以下の仮定により、ガソリン船外機付きの漁船による燃料消費量は年間約398×103tと見積もられる(表3.3-16参照)。

以上の検討の結果得られた漁業における燃料消費量を表3.3-17に示した。漁業の燃料消費分は農業、林業消費分合計の約半分との結果となった。

 

表3.3-15 機関種別の漁船登録数と搭載馬力数

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馬力は漁船法馬力*で集計されている

 

漁船法馬力

漁船法施行規則第一条に定めるところの「推進機関の馬力数」であり、内燃機関の場合は、実測馬力とは異なり、以下の数式より算出される。おおよそ、定格馬力(PS)=1.4×漁船法馬力である。(漁船法施行規則附則より抜粋)

内燃機関の馬力数=CD2N

ここで

C;機関の種類、ボア・ストローク比、シリンダ直径により定められた常数。

D;シリンダの直径(cm)

N;シリンダ数

 

 

 

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