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ii.CLD(ケミルミ法)

本測定では、NOx計はCLD法を原理として用いている。一酸化窒素はオゾンと反応して化学発光を起こすことが一般に知られている。NOを含んだ試料ガスとオゾンガスを容器(リアクタ)内で混合すると次の反応が起こる。NO2に酸化される時、その一部(約10%)が励起状態にある。

 

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図3.2-5 CLD(ケミカル法)の原理

 

この励起状態のNO2分子が基底状態に戻るときに励起エネルギーを光(波長590〜875μm)として放出する。この励起光をフォトマル(光電子増倍管)で増幅変換して濃度を求める。NO濃度で0〜数%程度まで励起電流との間に直線関係があることから検出感度が高い。このため、反応セルの大きさも数cm3程度の容積で充分である。また、NDIRと異なり測定光学系に可動部がないことから振動にも強いと言われている。

 

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燃焼排ガス中にはオゾンと結合して化学発光を生じさせる成分は含まれていないが、CO2は発生した励起エネルギーを奪う性格(クエンチング;消光作用)があることから、負の誤差を与える。それ故、今回はCO2との衝突確率を少なくするためにセル内の圧力を下げたセミ減圧方式による測定機を用いた。本測定においても、減圧状態を生じされるために流路途中に設けられたキャピラリが粉じんにより詰まるというトラブルが一度発生した。

 

 

 

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