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はじめに

 

本報告書は、競艇公益資金による日本財団の平成10年度補助事業として実施した「船舶排ガスの地球環境への影響と防止技術の調査」の成果を取りまとめたものであります。

ご承知のとおり、今日、人類の大きな課題の一つである大気汚染問題につきまして、船舶の方面では、国際海事機関(IMO)により1997年9月にMARPOL条約新付属書VIが採択されるにいたりました。また、1997年12月に開催されました地球温暖化防止京都国際会議(COP3)では、大気汚染防止についての世界的な排出削減数値目標が初めて合意され、「京都議定書」が採択されました。このように、一昨年来、大気汚染防止に関する国際的な動きが急に加速され、船舶においてもそのための行動計画の具体化がかなり進展しつつあるという情勢となっております。

さて、当財団では平成2年度から5年度にかけて船舶排ガスの環境への影響と防止技術に関する調査を実施し、その成果は各方面におかれまして大いにご活用いただいてまいりましたが、この調査が終了してからすでに数年が経過いたしました。その間に、上述のようにIMOやCOPにおける大きな動きがある一方、大気汚染防止に関する諸技術の進歩や世界経済の大きな変化があり、新たに調査を行う必要が出て参りました。

そこで、当財団では船舶から排出される大気汚染物質排出量の算定、並びに船舶排ガスに関する規制動向、及び大気汚染物質の排出量削減技術について必要な調査を改めて実施いたしました。ここにその報告書をまとめた次第であります。

この調査は、芝浦工業大学平田賢教授を委員長とする「船舶排ガスの地球環境への影響と防止技術の調査委員会」の各委員の方々の熱心なご審議とご指導、並びに関係各位のご協力により完遂したものでありまして、これらの方々に対して心からの感謝の意を表する次第であります。

本報告書が広く皆様に活用され、大気汚染物質排出量削減に役立てていただき、地球環境保全に貢献できることを期待しております。

 

平成11年3月

財団法人 シップ・アンド・オーシャン財団

会長今市憲作

 

 

 

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