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図4.2-1に示すように、この方面での技術は、海洋技術にも応用され、地球環境維持のための海洋のメカニズムの解明、海洋生物の特殊な生態を明らかにし、その保全に役立つ知識が大幅に蓄積されることになろう。また、近年、海洋生物の多様性が強く認識されるようになってきた。海洋生物種は、現在確認されているだけでも地球上の全生物種の3分の2、未確認の海洋生物種を考慮するとそれ以上を占めると考えられている。このような生物の遺伝子資源は、人類の健康と難病を克服するための新たな医療品の開発、バイオテクノロジーの発展に寄与することが確認されるに至ってきた。これらは、海洋がもたらす知識の一つの側面にすぎないと考えられている。しかし、このような知識は、今後質、量ともに飛躍的に増大することが期待される。そこで、海のもたらす知識のうち、人類社会の発展に特に有益なものを「海洋知識源」と呼ぶことにし、これを積極的に取得するための技術開発を「海洋知識資源開発」と位置づけることにした。このような調査の視点は、これまで比較的個別に進められてきた海洋技術を横断的に活用する考えを導くものであり、新たな方向性を生み出すものと期待される。

 

 

 

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