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「共通部」は、そのIDLインターフェース仕様として本開発研究で定義し造船所に公開したものであり、各CADはこれに沿ったアクセス機能を実装し、CORBA BUS上に提供する。一方、「固有部」にはACIM FLのデータ表現と各CAD固有のデータ表現の違いを吸収する意味的変換機能が含まれる。

データ交換制御プログラムとCADリポジトリアクセスサービスについては後述するが、前者については詳細仕様の確定と実装作業を完了し、後者については「共通部」の詳細仕様を確定し、データ交換実験対象CADを持つ造船所に公開し、現在、造船所側で実装作業を進めていて、一部のデータ交換が可能なレベルとなっている。

 

5.4.4 データ交換制御プログラムの構成

(1) データ交換制御プログラムの目的と種類

前述のように、データ交換制御プログラムは、GFが提供するGPME PMへのアクセス機能と、CADリポジトリアクセスサービスが提供する既存CADシステムデータへのアクセス機能をCORBAを介して利用することで、実際にCADとPM間のデータ交換を行うプログラムである。

本開発研究では、1回の交換処理で対象とされる情報種類(下記5種)と交換方向ごとに、10個のデータ交換制御プログラムを開発した。

・PM⇔CAD中間製品情報交換プログラム

・PM⇔CAD船殻情報交換プログラム

・PM⇔CAD艤装系統情報交換プログラム

・PM⇔CAD艤装経路情報交換プログラム

・PM⇔CAD艤装部品情報交換プログラム

(2) データ交換制御プログラムの機能

データ交換制御プログラムは、利用するサービスといくつかの処理モードを指定して実行する。プログラムは指定された処理モードに沿ってデータ交換処理をバッチ的に行い、交換処理が完了すると終了する。データ交換制御プログラム実行時に指定する利用サービスと指定可能な処理モードは以下の通りである。

(a) PMアクセスサービスとアクセス対象PM名

利用するPMアクセスサービスと、そのサービスの制御下で利用可能なPM名である。この指定によって実際にデータ交換を行うPMが決定される。

 

 

 

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