(3) 今後の課題
(a) トリム関係で形状が決定できない部材の表現
船殻構造FLでは、区画壁に生成される板材の形状は他部材とのトリム関係によって表現するようにしている。しかし、区画壁の中にはポンプ室の仕切壁のように、形状が複雑でトリム関係のみでは部材の形状が決定できないものがある。表現力の向上を図るため、このような特殊な形状の部材の表現方法に対する検討が必要である。
(b) 区画壁と板部材の関係の見直し
タンカーのロンジバルクヘッドには、油密である個所と油密でない個所が1枚の中に併存しているものがあり、また、機関室のデッキはその一部がタンクの底を兼ねている場合もある。このような構造は1個の区画壁としては表現できないが部材としては1個のものであり、現状の船殻構造FLでは表現ができない。そこで表現力の向上を図るため、このような関係にある区画壁と部材の関係を表現できるように検討する必要がある。
(c) 詳細構造パターンを追加するためのガイドライン作成
今回拡張した詳細構造は造船所で一般的に使用されるものを選んである。しかし、造船所ではそれ以外に造船所ごとに固有の詳細構造があるので、造船所でFLをベースとしたシステムを実際に使用する場合は、それぞれ固有の詳細構造パターンを追加する必要があり、それが容易になるように詳細構造パターン追加のためのガイドラインが必要である。