日本財団 図書館


1] プレーヤに必要な隣接するブロックの状態が、相手のプレーヤが誰なのかを意識することなく、エージェントに要求するだけでタイムリーに入手できることは非常に作業効率を上げる。このゲームの場合は単純であるが、エージェントは相手プレーヤを得るためにプロセスサーバーに要求を出し、プロセスサーバーから相手プレーヤを取得し、該当作業者のエージェントと通信して必要な情報を入手する。エージェントによる情報入手は非常に有効である

2] 一旦ワークエレメント同士の依存関係が確立されると、色の変更が発生した場合には、リアルタイムに関係するプレーヤに通知される。このため、状況変化への対応をすぐに開始できるとともに、通知漏れによる不整合が発生しない

3] マネジャーは、各プレーヤの進捗状況をワークエレメント単位で把握でき、また、プレーヤ同士の通信ログが全てエージェントによって収集されるので、アクティビティレベルのプロセスには現れない実際の作業状況を把握できる。このため、各プレーヤへの作業指針を早期に出して、チーム全体のゲームの進行をスムーズに行うことができる

更に、このプロトタイプシステムの構成要素を現実の造船業務に置き換えて検討し、以下に示す今後の検討課題を抽出した。

・高度造船CIM環境における協業支援の在り方の策定

・アクティビティとワークエレメントの定義の明確化

・プロセスモデルとPMの関係の明確化

・イベント、エクセプションのハンドリングメカニズムの検討と、プロセスモデルへの反映

・エージェントと業務アプリケーション機能の切り分け及び連結方法の検討

これらの課題については、来年度も引き続いて具体的な造船業務を題材としたACIMケースシナリオ及びプロトタイプシステムの試行を通して検討してゆき、造船業務に適用可能な協業支援システムの枠組みを構築する予定である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION