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(b) データ保護

SSLはデータを保護するために公開キー方式の暗号化をサポートしている。市販CORBA製品であるOrbixSSLの機能を使用することにより、非常に簡単に暗号化を行うことができた。暗号化によるパフォーマンスに関するオーバーヘッドも運用上の問題は無かった。

(2) 非同期通信

処理の並行性を高めるためにクライアントとサーバー間で非同期通信を行うことは実用上重要である。CORBAのonewayオペレーションを用いて非同期通信を実現し、次項に示すサービスを別途実装して、処理効率の高いアプリケーションを実現することができた。

(3) COMとの連携

DFFでの管理物量の計算結果をMicrosoft Excelに表示する機能を実現した。Windows環境側に市販のCORBA/COMブリッジであるOrbixDesktopを利用して、Excel Proxyサービスを実装した。結果として特に実装上の問題はなく、ExcelのようなActiveXインタフェースを持つ市販ツール全てがCORBAクライアントと連携可能であることを確認できた。

(4) その他

実運用ではGFが複数稼働することが可能であるので、利用者はそれを指定する必要である。市販CORBA製品のネーミングサービスを用いることにより、利用者にとって認識し易いサービスの識別を実現することができた。

(5) まとめ

ACIMリファレンスアーキテクチャに基づく実用アプリケーションを構築するうえで重要な、インターネット環境における運用時に問題となる認証やデータ保護については、市販CORBA製品で解決可能であることが検証され、同時にその利用技術を蓄積した。

以上のように、本年度は、ACIMリファレンスアーキテクチャの具対化、エージェント技術の適用対象の決定、PM管理機能の設計と実装、プロトタイプシステムによるインターネット環境におけるORB運用技術の検討を行った。

これを受けて、来年度は、2.3.2で示した実現へのアプローチに従ってACIMリファレンスアーキテクチャの各サービス機能の整備を継続し、知識共有環境のシステム的枠組みの構築を完了し、また、前述のようにACIMデスクトップも開発する予定である。これら知識共有環境のシステム的枠組みのうえに、後述するプロセスモデルによる協業支援機能や実用PMを実装し、検証用テストアプリケーションによる高度造船CIM全体システムの検証を行う予定である。

 

 

 

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