2. オブジェクトリクエストブローカーによる知識共有の仕組みの実現
昨年度の開発研究においては、知識共有の仕組みの実現に関して高度造船CIMの根幹である知識共有の意味するところを明らかにし、その実現のために必要な技術、特にオブジェクトリクエストブローカー(ORB)による知識共有の仕組みを検討し、解決すべき課題とそれへの対応及び本開発研究で実現する内容を明らかにした。
本年度は昨年度の成果を受けてORBによる知識共有の仕組みを具体化し、開発に着手した。
ここではまず、2.1で昨年度報告書を引用して本開発研究の根幹である知識共有の意味するところを述べ、2.2で関連する情報技術を検討し、2.3でACIMリファレンスアーキテクチャの具体化、2.4と2.5で本開発研究において重要度の高いエージェント技術とPM管理機能を、2.6でプロトタイプシステムの試行について述べる。
なお、本章では要点のみを述べるにとどめ、詳細と用語の説明について巻末に付録としてまとめた。
2.1 知識共有で目指すもの
造船CIMに関するこれまでの検討(例えば、平成3年度造船CIMSパイロットモデルの開発研究報告書)で明らかにされた通り、造船業は個別受注産業の特徴を典型的な形で持っている。