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(2) 開発の経緯

INSROP GISはINSROPのPhase I(1998〜1995)で開発され、NSRに係わる自然環境、港湾の状況、航行支援施設、生態系、インフラストラクチャー等の種々の情報が体系的に整理された。更にPhase II(1997〜1998)ではBox A; Integration projectの一環として位置づけられ、新たな研究から得られたデータが継続して追加された。当初、本システムはGISの開発、解析ソフトとして知られるARC/INFOの基で開発が進められた。しかしながら開発期間中に、より汎用的で使いやすいGIS基本ソフトである知cVIewの新しいVersionがリリースされ、このソフトウェアを利用すべく、システム設計に改良が加えられた。さらにPhase IIの開発期間中にArcVIew 3.0がリリースされ、本システムも再度若干の変更が加えられている。当初からの基本的な設計方針は変わっていないが、この基本ソフトウェアの変更で、ハードウェア/ソフトウェアの動作環境、使いやすさの両面において、ユーザーアクセス性が改善されてきた。

 

(3)開発体制

本システムに登録されたデータベースは、ロシア北極南極研究所(Arctic and Antarctic Research Institute; AARI)やノルウェー極地研究所(Norwegian Polar Institute; NP)が中心になって準備され、ソフトウェアはノルウェーのSINTEFによって構築された。

 

3.1.3 システムの特徴

本システムの特長を以下に挙げる。

1] 地理情報とリンクして、ビジュアルで解り易いデータおよび解析結果が得られる。

2] 日本・ノルウェー・ロシアの共同研究開発により、北極海に関する豊富で極めて貴重な環境データが収録されている。

3] 北極海域の任意点における必要環境データが容易に検索・解析できる。

4] 本システムにより得られた各種環境データを用いて、環境汚染影響や航路計画や構造物設計などの各種シミュレーションへの利用が期待できる。

5] 本システムは、通常のパーソナルコンピューターで動作し、極めて操作が容易である。

6] 基本システムにArcVIewを使用し、他のソフトウェアとのリンケージ等、汎用性に優れる。

 

3.1.4 システムの様成

図3.1-1に本システムの全体構成(機器とシステム構成)を示す。システムとデータベースはCD‐ROMによって提供され、ArcVIew 3.xがインストールされたパーソナルコンピュータに容易にインストールすることができる(インストールの方法については、「操作マニュアル」を参照されたい)。本システムを稼動する為のハードウェア環境は、以下の仕様が望ましい。

●パーソナルコンピュータ ;IBM PC/AT互換機

●CPU       ;Pentum 200MHz以上を推奨

●HD容量     ; 4GB以上を推奨

●メモリー容量  ; 64MB以上を推奨

●OS       ; Windows 95/Windows NT

 

本システムは、北極海からロシア北部の地理データ・自然環境・航路・生態系などのデータベース群と、これらを検索・解析したり、新テーマを生成・定義付けたり、保管・印刷させる等の処理機能と(これらをビジュアルに、ウィンドウ画面上で処理させる、ビュー・テーブル・チャート等の画面処理機能に分かれている。

 

 

 

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