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(4)Mn-Zr-OのNOx吸着量のSV依存性

前述したように実船搭載時での種々の共存ガスの影響およびハニカム化による重量減少などの影響を考慮すると、実験室の模擬排ガスレベルよりも性能の低下が予想される。そこでこれまで最も良好な結果を示したMn-Zr-O(Mn:Zr = 1:1、550℃焼成)を用いてNOx吸着量のSV依存性を検討した。

図4.2-11に示すように、SV=10,000h-1程度までは性能の低下はほとんどないが、それ以下ではほぼ直線的に低下することがわかる。したがって以降はSV=15,600h-1の高SV条件下で種々のZrO2系吸着剤の挙動を比較検討することとした。

 

(5)Mn-Zr-Oの調製方法・反応条件による吸着挙動の変化

1]焼成温度の影響

焼成温度を450℃から650℃まで変化させてNO吸着挙動を調べた結果を図4.2-12〜14に示す。図4.2-12、13に示すようにNOの吸着量は、100℃での飽和吸着量、昇温吸着量ともに低温で焼成したものの方が吸着量は大きくなる。

NO吸着量: 450℃焼成品 > 550℃焼成品 > 650℃焼成品

しかし、図4.3-14に示すように焼成温度450℃では繰り返し使用により、NOx吸着量が低下した。一方、焼成温度550℃では5回繰り返し使用してもほとんど低下しなかった。

 

2]NOとNO2の吸着挙動の比較

図4.2-15、16に示すようにMn-Zr-O(Mn:Zr=1:1、550℃焼成)は本反応条件下(SV=15,600h-1)のような高SV条件下でもNO、NO2系ともに水蒸気の影響をほとんど受けず、またNO系とNO2系でほとんど吸着量に差が見られなかった。

 

 

 

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