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NOxについてみると、その規制は図2.2-1のようになっている。この規制値は表中に示した通りであり、2000年1月1日以降に建造される船に搭載され、または同日以降に主要な改造が行われる船舶に搭載される出力130kW以上のディーゼルエンジンに適応される。またNOx規制が適用されるエンジンは全てエンジンメーカーが作成し主管庁が承認した「テクニカルファイル」を保持しなければならない。これにはNOx試験報告やエンジン性能記録などが記載されることになっている。また、NOx規制が適用されるエンジンはパラメーターチェックリストを持ち、規制の基準を満たしていることを確認できるようにしなければならないことになっている。

なおSOxは、当初は現状の50%削減ということで議論が始まったが、規制レベルは、グローバルには燃料の硫黄含有量4.5%以下という値に決定した。また、SOx放出規制海域(バルティック海および今後IMOが指定する海域)については、硫黄分1.5%以下の燃料の使用または排ガス浄化装置の設置が必要など、より厳しい規制が課せられる。現在の舶用C重油の平均硫黄分が2.7%であるから、この規制ではあまり効果は期待できないとして、とくに北欧諸国はもっと強化しようという意見が強い。逆に石油企業など燃料供給側からは効果とコスト上昇との兼ね合いで判断すべきだとする意見が強い。

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図2.2-1 IMOで定められたNOx排出規制値

 

 

 

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