日本財団 図書館


Hello Firefighter

 

022-1.gif

女優 松嶋 菜々子さん

 

"女優というお仕事に似ているかもしれません"

「ピーポー・ピーポー」。この音を聞くと松嶋菜々子さんは緊張する。フジテレビ系「救命病棟24時」(火曜夜九時)に出演の松嶋さんは一日二四時間、救急車の音の中で働いている。

日本の救命医療の進歩は目覚しい。人の生死を目のあたりに見る現場は、まさに、「いのちの戦場」である。「救命病棟24時」は、救命医療の世界に生きる医師、看護婦、そして患者やその家族たちをリアルに描いた人間ドラマ。

松嶋さんは新人研修医小島楓を演じている。その研修初日、楓はいきなり大事故に出くわす。作業員の胸を鉄パイプが突き刺したのだ。楓は救急医として救急車に乗りこんだが、何もできない。幸い外科医進藤(江口陽介)の適切な処置で作業員は一命を取りとめた。その進藤が楓の指導医になる。

「楓は医療を学ぼうという意欲は旺盛です。前向きすぎるところが、逆に足を引っぱったりします。緊張感のあるシーンがいっぱいです。病院内にはスピード感、リアル感があふれています」。ハードな仕事である。昼も夜もない生活である。体力のいる仕事である。「そんなところが、女優というお仕事に似ているかもしれません」。おっとりと優しい話し方。笑顔が素晴らしい。

高校二年生の時、モデルとしてデビュー。企業のマスコットガールに選ばれたり、CMに出演した。平成八年、NHK朝の連続テレビ小説「ひまわり」のヒロインに取り組み、全国的な顔になった。その後、「スウィートシーズン」(TBS)、「GTO」(フジ)など話題作に出演。ホラー映画「リング」では恐怖に立ち向かう新聞記者を演じた。今年正月には時代劇「加賀百万石」(NHK)に出演。着実に力をつけてきた。

「救命病棟24時」の楓は、現場ではまだまだ足手まとい。「さまざまな患者さんと出会いながら、楓も成長していくでしょう。常に笑顔を忘れないようにしたいと思います」。遠くで救急車の音。松嶋さんの表情がキリッと引き締まった。

(インタビュー・編集部)

 

 

 

前ページ   目次へ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION