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3 学習内容の取り扱い

 

(1) 基本動作

基本動作は対人的技能や形技能への導入段階としての要素を持っているので、次の技能への移行がスムーズに行われるよう、対人的技能や形技能と関連付けて指導するなど配慮して取り扱う。

導入段階では、空手道の歴史や特性を理解させるとともに、立ち方、拳の握り方をはじめ、「礼」についての考え方、礼法を正しく学習させることが必要である。また、技の習熟を図るために、突き・受け・蹴りなどの基本動作を練習することが大切である。ただし、対人的技能や試合にくらべ「基本動作」の練習は単調になりやすく、興味の持続を失わせてしまうこともあるので、遊びや他の運動も取り入れたり、学年や児童の学習段階に応じて形、対人的技能や試合を取り入れ、楽しさや、喜びを味わいながら上達していくよう指導することにも留意したい。

(2) 対人的技能

対人的技能は、相手を攻めることや相手の攻撃をかわし、反撃したりする技能で構成されており、攻撃技と防御技とに分けられる。攻撃力や防御力を増すためには、基本動作で学んだ技を、約束組手や自由1本組手、自由組手の練習のなかで効果的に積極的に取り入れるように指導する。また、目付け・気合い(掛け声)・力の集中・極め・残心などについても指導する。

(3) 形技能

形技能の上達が、対人的技能の向上に役立つことを体験的に理解させ、形の意味を知る上で行う「形分解」は意欲的に学ばせるようにする。また、個人練習だけでなく、3人から7人というグループ練習の形式をとることによって、児童の協調性を向上させ、上達の楽しみや、成功した時の喜びを味わえるよう指導することが大切である。形は、一人でも、限られた狭い場所でも練習ができるため、生涯にわたって実践しやすい内容として優れている。

また、知能が発達し創造力が培われる児童期の特徴を踏まえて、グループごとに形を創作させ発表させるなど、挑戦させることの楽しさ、つくり上げることの喜びや達成感を味わうことができるようにする。

(4) 試合

空手道の試合には、組手と形の試合がある。組手試合は、それまで学習した技能段階でできる試合など、児童の技能の習得の程度に応じて行わせる。

形は、個人あるいはグループで演技する形式で行わせる。試合の取り扱いにあたっては次のような配慮が必要である。

 

 

 

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