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また、富士山を挟んで神縄・甲府津-松田断層帯と反対の位置にあるのが富士川河口断層帯で、フィリピン海プレートと陸側のプレートとの境界である駿河トラフの陸上延長部にあたる。地質調査所や静岡県の調査により、この断層帯の大宮断層と芝川断層は約3千年前に活動したことが判明している。最近、入山瀬断層で約6千年前以降4回の活動があったことを示す証拠が見つかっている。

各地の活断層調査結果がいろいろ得られているので、今後は10断層程度をまとめて、それらの評価を発表する予定である。

 

長期確率予測

活断層の存在からわかるように、地震は同じ場所で繰り返し起こる。日本の陸域では、その繰り返しの平均間隔が千年、数千年あるいはそれ以上と長く、海溝に沿った巨大地震の場合には、数十年、百年、数百年程度である。繰り返しには、ある程度の規則性があり、その間隔は、平均値を中心として多少のばらつきをもっている。例えば、地震の平均繰り返じ間隔が1,000年の活断層があれば、実際の繰り返しの間隔は800年だったり1400年だったりする。しかし、最後の地震がいつ起こったかを知れば、まだ当分大丈夫なのか、そろそろ起こる時期になっているのか、ある程度目安をつけることができる。

このように同じ場所で繰り返し起こる地震の平均間隔と最後の地震からの経過時間を用いて、長期的な地震の発生確率を推定する手法が地震調査研究推進本部から提案されている。

 

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図8 長期予測による地震の発生確率(共同通信配信、1998年)

海溝沿いの巨大地震と陸域の大地震とでは、繰り返しの間隔が大きく異なるため、今後30年間の確率を計算すると、陸域の場合はずっと小さい値となることを説明している。

 

 

 

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