日本財団 図書館


第1部 全体会

 

1. 基調講演

 

「環境観とパートナーシップ形成戦略」

(社)日本ナショナル・トラスト協会理事

江戸川大学教授 惠小百合氏

 

本日の「行動しよう!未来のために」というテーマでの環境シンポジウム1998千葉会議にお招き頂きましてどうもありがとうございます。

005-1.gif

 

今日は「環境観とパートナーシップ形成戦略」と題しまして若干のスライドを含めてお話ししていきたいと思います。今日は3つのテーマを考えています。まず第1番目は目標を掲げることによって行動が始まるわけですので、次の世代にどんな環境、どんな町を残したいか、まず認識するということです。どんな町を考えていけば良いかということはそれぞれ皆様が環境づくりにおいて考えていらっしゃる対象つまり自慢したい町、ずっと住み続けたい町や、何度も訪れたいとか、とっておきの環境があって派手でもないけれども、そこへ行くとすーっと気持ちが安らぐような身の回りの環境などです。
もう1つ私などが考えるのは生態系の保全に寄与できる環境、つまりみんなが開発をしていろんな経済的な効果を得てその影響や恩恵を受けてきた20世紀なんですけれども、できれば21世紀には日本を含む地球環境の生態系がきちんと「環」でつながっている、そういう状態を我々世代が作らなければならない。そのために生態系の保全に寄与できる環境をとっておきたいなと思います。

千葉県はわりあいに高い山が少ないですけれども、流域という視点から流域全体で環境を考えてその保全を考えた時に、その一役を担えるような保水性の高いまちなども考えられる必要があります。先日の台風で洪水がありましたけれども、土地の表面が固く覆われてしまうと、雨が降ると水が一斉に海に流れてしまってなかなか保てない。保水性という点で私たちは次世代に怒られるようなまちづくり、環境づくりをしてきたのかなと思います。

それから身障者や高齢者ができれば自力でまちに出て、一筆書きで帰ってこられるようなまち、これはバリアフリーという考え方がもちろんです。けれども、さまざまな環境の良い要素を残してもそこに自由に近づけなかったらその良さを楽しめない訳ですし、良さに気がつく機会もどんどん減ってしまいます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION