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中国の経済計画と人口・水資源・食糧生産

 

吉林大学東北亜研究院人口研究所

講師 王暁峰

 

中国の経済計画と人口・水資源・食糧生産

 

中国が1978年に改革開放政策を実施して以来、経済と社会の発展は目覚しい成果を遂げている。1980年以来の三回の五ヶ年計画実施を経て、2000年に国民総生産を1980年の四倍にするという計画を1995年にすでに達成している。1996年に中国政府は「第九回国民経済と社会発展五ケ年計画及び2010年への長期目標綱要」を制定し、新たな目標を打ち出している。それは、2000年までに人口を13億以内に抑制し、一人当たり国民総生産を1980年の四倍にし、さらに2010年には国民総生産を2000年の倍にし、人口を14億以内に抑えるということである。
この目標を実現すれば、中国の社会生産力、総合国力、人民の生活水準はともに大きく上昇し、21世紀半ばには現代化をほぼ実現するという目標のためにしっかりした基礎を築くことになる。この目標の実現は可能ではあるが、同時にまた多くの困難をも抱えている。各種の経済的、社会的要因はこの目標の実現に多かれ少なかれ、正面からあるいは反面から影響を及ぼすからである。それらの影響する要因を分析し、必要な対策を提出することは、この目標の順調な実現において積極的な役割を果たすことになる。人口、水資源、食糧生産は、中国の現代化過程においてキーポイントとなる要因であることは疑う余地も無い。

 

1. 経済発展と食糧生産

 

中国の農業は基礎が弱いため、人口増加、生活改善及び経済発展の需要に充分に堪えられていない。そのため、農業と農村経済の持続的で安定的な成長は、中国経済発展の中で非常に重要でまた一番困難なことでもある。しかしながら、中国経済の発展過程で、食糧生産の安定的な発展は最も目覚しいものである。

生産高からみると、1949年新中国成立時に、全国の食糧総生産量は1132億キログラムで、一人当たり209キログラムであった。1978年、総生産量は3048億キログラムで、一人当たり317キログラムに達していた。1978年から農村では家庭生産請負制を主とする一連の改革が行なわれた結果、食糧総生産も3500億キログラム、4000億キログラム、4500億キログラムへと上昇してきた。

 

 

 

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