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中国は水土分布が不均衡で、一人当たり水量が少なく、農業生産発展の最大障害となっている。長江流域以南の地域では、水資源が全国の70%を占めているが、耕地面積は全国のわずか31%を占めている。それに対し、長江流域以北地域では、水資源は全国の30%を占めているのに対し、耕地は全国の69%を占めている。そのため、南と北のヘクタール当たり平均水量には格差が著しく、南の広東、福建はそれぞれ9万立方メートルと10.5万立方メートルであるが、北の河北、山西ではわずか5800立方メートルである。中国の水資源の絶対量は決して少なくないが、一人当たり水量はわずか2700立方メートルで、世界の一人当たり平均水量の四分の一に相当する。
予測によると、2000年中国の水の総需要量は約7000億立方メートルであるが、その内80%前後は農業灌漑用である。しかし、半干ばつ年の利用可能な水量は6500億立方メートルで、不足分は500億立方メートルに達するようになる。農業部門の統計によると、毎年水の不足で灌漑面積あるいは有効灌漑回数を縮小せざるを得なくなり、約50億キログラムの食糧減産をもたらしている。

また、大量の工業廃水と生活汚水が排出され、地表水または地下水の汚染をもたらしている。統計によると、1991年中国の廃水、汚水の排出総量は336億トンであるが、その内70%を占めている工業廃水の約半分は排出基準を満たしておらず、30%を占めている生活汚水の処理率は一割にも達していない。中国の1200本余りの河流の中で、すでに850本余りは汚染されており、七大水系は全部程度不同の汚染を受けている。水資源の汚染により使用可能な水源がさらに減少した結果、水の需給矛盾を激化している。

中国の水資源の開発利用は長い歴史を持っており、大昔に大禹治水の伝説があり、紀元251年李氷親子が主となって建設した都江堰は今日もその役割を果たしており、紀元486年には有名な大運河が開通されている。しかし、引き続く戦乱と人類の自然への征服能力の低下により、水害、干ばつが頻繁に発生している。史書の記載によると、1949年までの二千年間黄河下流の堤防切れが1500回に達しており、重大な河道変えが26回になっている。

 

 

 

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