2. 森林資源と林業開発
中国は国土面積が広く、各地の気温、乾湿には大きな差異があるため、生態要求の異なる各種樹種に成長環境を提供しており、豊富な森林資源を形成している。中国には木本植物が計8000種類あるが、その中喬木が2000種類ある。その内で優良用材と特用経済樹種が1000種類に達し、灌木樹種が6000種類に達している。中国独有の喬木樹種は50種類余りに達している。
第四次森林資源調査(1989〜1993年)結果によると、中国現有の森林面積は13370万ヘクタールで、13.92%を占め、世界平均水準の22%を遥かに下回っている。活立木蓄積量は117.8億立方メートルで、森林蓄積量は101.37億立方メートルである。中国の一人当たり森林面積は0.11ヘクタールで、世界平均水準のわずか九分の一に相当する。1993年、中国の林木資源消耗量は3.20億立方メートルで、林木純生長量は4億立方メートルで、生長量が消耗量より大きい。しかし、第三次森林資源調査(1984〜1988年)に比べると、用材林木成熟材蓄積量は約2億立方メートル減少しており、毎年平均5473万立方メートルの赤字となっている。
中国は森林資源が少ないだけでなく、森林分布と林種構造も合理的でない。大興安嶺西から南に向け青蔵高原の縁まで降雨量が400ミリメートルの等値線を形成しているが、この線は中国を森林生長に適している東南半壁と林木生長に不利な西北半壁に分けている。東部、南部の多くの省では森林面積が30%を超えており、黒龍江、吉林、浙江、江西、福建、台湾等がそうであるが、西北地区の多数の省では森林面積が5%未満で、甘粛、寧夏、新彊、青海などがそうであり、1%未満の所もある。中国の林種構造が不合理である主な表現は、用材林の割合が大きく、防風林と経済林の割合が小さい。このような樹種の構造は森林資源の持続的利用に不利である。また、中国林業用地の利用率も非常に低く、林業用地の中で有林地の割合が低く、45%である。これは中国にはまだ1億ヘクタール余りの林業に適している無林地に造林事業の発展が可能であることを意味している。中国の林地ヘクタール当たり蓄積は90立方メートルで、世界平均は110立方メートルで、最高のスイスが234立方メートルに達している。中国のヘクタール当たり林木生長量は2.4立方メートルであるが、林業の発達している国ではすでに3立方メートル以上に達している。