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1992年関係部門が遠隔検出技術を応用して行なった最新調査結果によると、水土流失面積は369万平方キロメートルであるが、その内、水力侵蝕面積は179.4万平方キロメートルであり、風力侵蝕面積は187.6万平方キロメートルである。中国で毎年陸地から河流を経由して近海に運ばれる土壌は17.8億トンに達しており、それに河、湖、ダムなどに滞留している泥砂を加えると、総侵蝕量は50億トン余りに達している。

1949年以来、中国政府は農業生産条件を改善させるために一連の措置を取ってきているが、主として以下の内容である。

(1)耕作制度を改革し、間作、二毛作または多毛作、輪作面積を拡大させていく。

(2)農業開墾事業を積極的に発展させ、黒龍江、海南島、新彊、雲南などで約3500万ヘクタールの開墾を行なっており、海を囲い約65万ヘクタールの農地を開き、多くの国営機械化農場を建設し、国家の食糧、綿花、ゴム及び熱帯経済作物の重要な生産基地となっている。

(3)収穫高の低い耕作地を積極的に改造し、水平段段畑約650万ヘクタールを建造し、アルカリ性土地約450万ヘクタールを改良し、本土流失面積約4500万ヘクタールの治水工事を行なっている。

(4)排水灌漑施設を建設し、有効灌漑面積は1949年の1600万ヘクタールから1995年の49365万ヘクタールに増加しているが、その内32210万ヘクタールは機械及び電気排水と灌漑を実現している。

人口増加と都市農村建設の発展にともない、人が多く土地が少ない矛盾はますます厳しくなってきている。そのため、中国政府は寸土の耕地をも大事にし、寸土の耕地をも合理的に利用することを一つの基本国策として、今後相当長い期間中に以下の六つの面に力を入れることにしている。

(1)「中華人民共和国土地法」を貫き、建設占用地指標を抑制する方法を実施し、なるべく耕地を占用しないように、または少なく占用するようにする。同時に、工場、鉱山が廃棄した土地を再び開墾する。

(2)荒れ地を適当に開墾し、耕地面積を安定させる。中国の農業に適している荒れ地は約3500万ヘクタールであるが、主に北緯35度以北地区に分布しており、東北地域に最も集中しており、内蒙古、新彊がその次であり、南の一部の省にも少し分布している。都市と農村の発展にともない、耕地が占用されることは避けられないが、耕地面積を安定させるために、国家は第八回五ヶ年計画期間に、黒龍江、新彊、内蒙古及び南の一部の省または地域で荒れ地を適当に開墾して都市と農村の建設に占用された土地を補足している。

 

 

 

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