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10 我が国の里親制度不振の理由

我が国の里親制度は、これまで十分な振興をみていないが、その理由について8項目のうち主たるもの二つを選択してもらった。その結果をランキングしてみると、最も高い順位に位置したのが里親委託をめぐる状況によるところが大きいとするもので、64.4%と、約3分の2近くの児相がこれをあげている。

2位以下にランキングされたものは5割を割っているが、血統を重んじる我が国の親子観によるところが大きいとするものが41.2%、施設養護よりも里親制度を振興させる政策誘導がないなど国の政策によるところが大きいとするものが38.1%であった。この割合よりかなり下がって、児相の委託・指導体制の不十分さや関係民間機関の未発達など、制度推進体制の不十分さによるところが大きいとするものが16.2%、またボランティア精神の未確立など国民性によるところが大きいとするものが15.6%、あるいは養子縁組の前提となっているなど制度運営上の問題によるとするものは13.1%みられた。住居、家族構造の変化などの社会状況の変化によるとする回答はきわめて少なかった。このほか社会的、国民的レベルで里親や里親制度に対する認識、評価の低さを指摘する回答がみられた。

 

 

 

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