表3の養護相談の理由別処理件数の推移でみると、全国では児童福祉施設に入所した児童の比率は下がりつつも、実数では増加傾向にあることがわかります。里親委託数は、実数も比率もともに減少しつづけ、平成8年度には年間500人代まで落ち込んでいます。表4の名古屋市における養護相談の理由別処理件数の推移でみると、平成8年度に養護相談の処理件数が急増し、施設入所児童が増加しましたが、全体としては減少傾向が見られます。里親への委託数はほぼ横ばいで推移しています。
(2) 養子縁組里親の増加と少ない養育里親
表5の昭和50年度から平成10年度にかけての里親の認定数の推移をみると、ここ数年の新規認定者の数は2けた近くを維持してきました。増加の理由については定かではない部分もありますが、特別養子制度の制定や国際家族年を前後しての里親や養親の報道が増えたことが影響を与えているように思われます。
しかし、表6にあるように昭和63年以降の里親認定者の意向をみると、そのほとんどは養子縁組を希望しており、89%にのぼります。養育里親は、10年間で10家庭であり、年1家庭平均となっています。