平成10年度国際結核予防セミナー(モンゴル)報告書
平成10年度国際結核予防セミナー(モンゴル)の実施について、以下のように報告する。
報告者:
島尾忠男(結核予防会会長) 総括および講義
山崎厚司(同事業部普及課長) 事務一般
増田恵子(同事業部普及課員) 事務一般
1. 概要
1) 経緯:
モンゴルでは1994年に、WHOとIUATLD(国際結核肺疾患予防連合)の勧告に基づいて作成した国家結核対策プログラムを導入した。この対策の実施のためには、まず全国で実務を担当する結核コーディネーター(医師)の研修を行うことが必要となり、モンゴル国立結核センター(National TB Centre、以下 NTC)より本会に研修会開催支援の要請があった。そこで、本会とモンゴル保健省、NTCの共催、WHO、IUATLDの後援を得て第1回の国レベルの結核対策ワークショップ(結核予防セミナーを指す)を1994年に開催し、WHOの世界結核対策戦略を中心とする新しい対策への理解を目指した。翌年95年には、対策導入後1年を経て浮かび上がった問題点の検討に重点を置いて、第2回の結核対策ワークショップ(結核予防セミナー)を行い、新しい結核対策実施の基礎固めを行った。
国家結核対策の実施において重要な要素の一つに、政府の支持を得ることがある。行政の人事異動が頻繁であるモンゴルでは、2回のワークショップの後、せっかく研修を受け経験を積んだ結核コーディネータの多くが部署を替わってしまった。従って再び新しい職員の研修を行う必要が生じた。またワークショップから3年という期間を経たので、新しい情報、知識を周知させるとともに、対面している問題点を共に解決することが有効と考えられた。
そこで、今回は結核対策に対する政府の理解を得るため、全国21の各県の県知事を迎えたセミナーを企画すると共に、全国の結核コーディネーターの資質の向上を目指した第3回結核対策ワークショップと併せて、3回目の結核予防セミナーとして開催することとした。
2) 開催地:モンゴル ウランバートル市