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学校ボランティア

 

 

奉仕と共に実体験を通して自ら自己改革・自己実現を図る

福井工業大学付属福井高等学校(金井学園) 教諭 藤田 順一

 

本校は、平成十一年学園創立五十周年を迎える。生徒一人ひとりの適正を生かし、個性を伸ばすため、八科十三コースを設け、総合高校として対応している。

本校では、愛国心の高揚と科学技術の研さんにより「人類社会の福祉に貢献する」ことを教育の目標に掲げ、学園創立当初よりさまざまな形で社会福祉活動が行われてきたが、高等学校に従来作られていた社会福祉活動委員会を福井市社会福祉協議会の指導のもと、「金井学園社会福祉活動推進委員会」と改め、全学園を挙げての組織に拡大し、地域や社会への奉仕と共に実体験を通して自らの自己改革・自己実現を図る場として、昭和六〇年度からは全校挙げて社会福祉活動を展開するようになった。

高等学校の社会福祉活動の一環として、昭和六〇年度より、一人暮らし老人宅訪問が始まった。好評を得、今日に至っている。平成十年度は、福井市ほか五市三町の一人暮らし老人一九一四人に訪問のお願いの手紙を出し、五市二町一一〇人の方にご了解をいただき、延べ三二二人の生徒がお宅を訪問させていただいた。

活動の内容は、対話や清掃を中心に、肩もみ・買い物・食事の準備・タンスの移動・障子の張り替えなどで、お年寄りの気持ちを尊重しながら、生徒は可能な範囲で誠意を込めて力を尽くしている。参加した生徒は、心の喜びを感じると共に、さまざまな意義を見いだしている。生徒の主な感想は、「お年寄りから生活の知恵を教わり、非常に勉強になった」「思いやりやいたわりの心の大切さを知った」などである。

 

 

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お年寄りの話に引き込まれて…。

 

 

なお、ボランティア活動は学校行事並びに特別活動として扱い、参加した生徒に対し特別恩典はないが、公欠扱いとし欠席・欠課としないことが申し合わせ事項で決まっている。今後、ボランティア活動も単位化する等の検討が課題として残っている。

本校は、昭和五六年度から三年間、厚生省から「学童・生徒のボランティア活動普及事業」の協力校に指定され、その功労があったとして、平成五年九月、第二回ボランティア全国大会で厚生大

 

 

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