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高齢になっての住みかは、多くの人が関心を寄せる問題だ。

特別養護老人ホームはなかなか入れないし、また寝かせきりなど一部の劣悪な環境を聞くと、できれば避けたいとも思う人は多い(施設側の努力で改善されているところも出てきているが)。民間の老人ホームは相当な資金が必要、また一人暮らしなら普通のアパート、マンションではいざという時に心配、さらに借家なら借りるのさえむずかしい…。そんな中で最近注目されているのが、グループホームや小規模の共同住宅だ。新たに建てる場合でも土地・建物などいずれも老人ホームのようにばく大な資金は不要であり、そもそも小規模なら場合によっては既存建物の転用も可能。グループホームなら自分の住まいを手直しして開放してもいい。個人レベルでは山口さんのように自らグループホームをつくろうという方も増えてきている。志村さんの提案にあるような未造成地を活用した割安な老人ホームの建設はまだないようだが、高齢社会を迎えて、行政側もいろいろと対応策を考えはじめてはいる。

昨年9月号の「みんなの広場」で、同様の趣旨の群馬県在住窪田春子さんからの投稿、「地域に共同の住まいを」を掲載したが、その折のコメントに記したとおり、お住まいの高崎市役所に掲載誌を届けた。今回その高崎布の状況を、行政のひとつの動きとしてご紹介しよう。

窪田さんの願いは、テレビで見た神戸のコレクトハウス。自分の町にもそんな建物を公営で建ててもらい、廉価な家賃で貸してほしいというもの。高崎市に確認したところでは、現在、老朽化した市営住宅の建て替えに際しシルバーハウジング住宅を建築中で、これが投稿のイメージに近いのではとのことだった。平成7年に計画が立てられ、平成10年度中に第1期工事が完成の予定だという。全196戸のうち30戸が一人または二人暮らしの高齢者が安心して生活できるような仕様。一般住宅の中にシルバー住宅が混在する配置で、バリアフリー仕様、緊急警報装置、定期的なLSA(ライフ・サポート・アドバイザー)の巡回等の配慮がされており、全部で第3期工事までの予定。平成11年着工の第2期工事では住民の交流の場として団らん室が建設される。入居者の募集は第1期工事終了後とのことだが、概要は取材時では未定(98年11月末現在)、詳細が決まり次第、市の広報紙に掲載するので注意していてほしいとのことだった。

これは高崎市では初めての試みだが、今後も市営

 

 

 

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