日本財団 図書館


身体障害者、痴呆老人合計十二人が住んでいます。月一〇万円から二〇万円台までの本人負担で、三食付きで運営しています。彼は「ここに入っている老人と、大規模施設に入っている人とどちらが幸せか見比べてほしい」と言っていました。私はそういう気概がある人が好きです。

 

046-1.gif 046-2.gif 046-3.gif

 

介護保険の時代には市民グループやボランティア団体の活動が重要になると思います。

「だれかが宅老所を作るべきだ」ではなく、自分たちがやるんだという発想が大事ですね。宅老所が何よりいいのは、法による制約がないことです。特別養護老人ホームや有料老人ホームを作ろうとすると、部屋や人員の配置、設備などを法律や条例の基準通りに備えなければならない。しかし宅老所は補助金がもらえなくても制約はありませんから、私が明日から作ることもできます。

全国各地に広がりはじめた宅老所は、創意工夫を凝らし、意欲的な試みをしています。大きな施設では無表情・無反応だった人が宅老所に移ったらよみがえったという例もたくさんあります。

ボランティアの方の活躍の場は、既成のボランティア・メニュー以外にもいろいろあると思います。各地域それぞれの特徴を見つめ、ニーズを掘り起こしてそれに応えてほしいですね。

〔注〕新ゴールドプラン政府のゴールドプラン(高齢者保健福祉推進一〇カ年戦略、一九八九年十二月策定)を見直し、九四年十二月にサービス整備目標値を引き上げたもの。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION