介護保険の時代には市民グループやボランティア団体の活動が重要になると思います。
「だれかが宅老所を作るべきだ」ではなく、自分たちがやるんだという発想が大事ですね。宅老所が何よりいいのは、法による制約がないことです。特別養護老人ホームや有料老人ホームを作ろうとすると、部屋や人員の配置、設備などを法律や条例の基準通りに備えなければならない。しかし宅老所は補助金がもらえなくても制約はありませんから、私が明日から作ることもできます。
全国各地に広がりはじめた宅老所は、創意工夫を凝らし、意欲的な試みをしています。大きな施設では無表情・無反応だった人が宅老所に移ったらよみがえったという例もたくさんあります。
ボランティアの方の活躍の場は、既成のボランティア・メニュー以外にもいろいろあると思います。各地域それぞれの特徴を見つめ、ニーズを掘り起こしてそれに応えてほしいですね。
〔注〕新ゴールドプラン政府のゴールドプラン(高齢者保健福祉推進一〇カ年戦略、一九八九年十二月策定)を見直し、九四年十二月にサービス整備目標値を引き上げたもの。