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喜・涙・笑 ふれあい活動奮戦記

 

 

高齢者でも障害者でも、介護を担う家族でも自分たちの生活に楽しみを持てるようなサポートを目指したい

ふれあい福祉サービス「さわやか熊本」(熊本県)

 

「私事になりますが、うちには娘が二人いるんですが、二人とも筋ジストロフィーなものですから、食事からお風呂、排泄など全て介助が必要。そんな娘たちを、先日、東京ディズニーランドに連れて行くことができましてね。私達夫婦だけではとても無理とあきらめていたんですが、会員の方が四人ほどお手伝いしてくださるということで実現した一泊二日の旅でした。そのときに、妻が"人の力を借りて生活することも大切なのね"とポツリと洩らしたんです。確かに、障害者や寝たきりのお年寄りなどを抱えている家庭では、助けが欲しいと思いつつも、つい、自分たちの力だけで何とかしようとし、力が及ばなければ限界と判断して"あきらめて"しまいがちなんです。我が家の場合もそうでした。だから、外食はおろか買い物に出かけることすらもままならないなど、生活全般に非常に制約が多くなってしまう。でも、ほんの少しでも言いから誰かに手伝ってもらえれば、その制約は案外簡単に外れるものだし、介護を担う家族にも心のゆとりが生まれるものなんだと、改めて気付かされました」

こう語るのは、今年四月、熊本県内で初の市民互助型団体となる『さわやか熊本』を設立した浦上誠さん。同会の発起人であり会長でもある浦上さんは、まだ、三八歳という若さながら、自らのおかれた環境も手伝ってか、福祉に対する思い入れは人一倍強い。

 

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役員会議風景。

 

 

 

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