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構造は確かにあります。活動に厳しさがないのもおっしゃるとおり。うちは中間支援団体ですから団体設立のお手伝いとかしてますが、"さわやかさんやってよ"とか、"お金を出して"とか。でもだんだん自分たちでやるようになって成長していかれます。行政がやらないこんなにいい活動を市民がやっている。ならば行政が税金を独占しているのはおかしい、寄付しようと。そんな流れができればどんどん変わっていきますよ。

朝倉 これからNPOがどんどん表舞台に出てくれば、NPOもただではない、お金がかかるんだということがもっと自然にわかっていただけると思います。ただその場合、情報公開が一番大事なのはもちろんです。出したお金がどのように使われているのか、はっきりわかれば、みなさん、安心して支援してくださるようになるでしよう。

堀田 おっしゃる通りです。市民が活動するNPO、市民団体だからこそ情報公開は率先してオープンにされるべきなんです。それこそ市民団体だからといって甘えてはいけない。行政の補助金にしろ、市民の寄付金にしろ貴重なお金を預かっているのは確かなんですから。開かれた姿勢が団体の信頼性を高めるし、やがてそれが積み重なってNPO全体の社会的認知が高まってくるんだと思います。

朝倉 ここ一〇年ほどアメリカ経済は一人勝ちともいえる繁栄を誇っていますが、一方であまりにも簡単に企業はスタッフを解雇するという実態があります。私の友人の二九歳の男性はすでにもう三回も解雇されています。この現実、不安定さ、決して効率のいいことではありません。いつか崩壊するという声も多いです。そうした社会背景を埋め合わせるようにNPOが活躍しています。自分たちのことは自分たちでやろうと。すべてをアメリカにまねる必要はまったくありませんが、日本の風土にあったNPOがしっかりと根付いていってほしいですし、そのためにもいろいろと活動していきたいですね。

堀田 ぜひますますのご活躍をお祈りしています。今日はどうもありがとうございました。

 

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