有料老人ホームは、高額であること、終身介護の規定のあいまいさ、倒産した場合の利用者保護などこれまでにさまざまな問題点を指摘されてきた。このため98年3月には全国有料老人ホーム協会が自主基準素案をまとめ、介護に関してのかなり細かい規定を設けるなど前向きに検討しているようだ。さて介護保険が有料老人ホームに与える影響という点では、「追い風」という見方が大方。高額だった介護費用がある程度公的に保証される上に、新たに介護保険から在宅介護の分野での収入も見込めるからだ。そのため企業を中心に有料老人ホーム事業拡大計画が活発で、老人ホームを拠点にさまざまな在宅介護関連事業を展開するという記事が多い。在宅介護事業には、ほかにも公的機関・市民団体など競争相手も多い。さらに利用者保護という点ではまだ解決されていない問題もある。営利のみを目的にするのではなく、老後のより良い環境整備という観点で事業を進めていかないと、また新たな問題を抱えることになるだろう。しかし、これからは利用者自身も目を養うことが必要だ。ご意見は、『さぁ、言おう』まで。