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た四〇名のメンバーで、一九九七年三月、キャンナスは発足されたのだった。

訪問看護といえば行政などでも行っているが、菅原さんがあえて"草の根レベルの活動"にこだわったのは、福祉行政では手の届かない面でのサポートをしたいと考えたからだ。

「二四時間休めずに介護している家族は、ほんの数時間でいいから、心と体を休めたいと思っているものなんです、でも、行政の訪問看護の場合は、週一、二回が原則で、平日の昼間に三〇分程度、医療の補助的業務を行うだけ。看護ではなく"処置"をしてるのが現実ですし、こんな短い時間では、介護疲れに苦しむ家族がほっと息つく暇もありません。だから、制約もあまりつくらず気軽に頼んだり、頼まれたりすることができ、かつ、休日や夜間、急なときでも対応できるような団体が必要だと思ったんです」

『キャンナス』というネーミングを付けたのも、家庭などで孤軍奮闘している人たちのために、看護婦(NURSE(ナース))の役目をサポートできる(CAN(キャン))範囲で奉仕し、お互いに手をつないでいく団体にしようとの願いを込めてのことだという。

 

利用者さんとそのご家族。赤城山キャンプ場にて、食事のひとコマ。

025-1.gif休日講座

 

利用者の喜びの声が何よりの励み。NPO法人格の取得をめざしてがんばりたい

元看護婦さんが介護の手助けをしてくれるのは、利用者にとっては安心感が大きいが、この一年、資格があるがゆえの苦労も少なくなかったと菅原さん。

たとえば、活動をはじめるうえでの金額設定もそのひとつ。既存

 

 

 

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