真夏の太陽が照りつける京都は、うだるような暑さ。取材に訪れた日も、午前十一時にはすでに気温は三五度を超えており、じっとしていても汗がダラダラと流れ落ちてくる。そんな中を、ポロシャツにジーンズという軽快な出で立ちで、駅まで出迎えてくれた横田さん。
「暑い中を、ご苦労さんどすなあ。私も現場に出るようになって、外でお金を得るということがどんなにしんどいことか、つくづく感じてるんですわ。世の中の奥さんも、いっぺん、外で働いてみると、どんなにご主人がえらいかわかる。きっと、帰ってきたら冷たいおビールくらい出してあげないかん、という気になりますわ」といって、明るく笑う。
京都弁の柔らかな口調とふくよかなその姿のせいか、横田さんは、女大工というよりも、頼りになる"日本のおかあちゃん"という雰囲気の人だった。