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新聞でみる 公的介護保険

 

 

介健保険と世論調査

介護保険についての議論が高まった96年、各新聞社はこぞって世論調査を行った。朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の集計結果を助べてみた。

 

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老後や健康に対する不安、介護保険への賛否についての傾向は各紙ほぼ似ているが、特に実施時期に対する回答で、朝日新聞に他と異なる数字が見られた。

〈実施時期についての設問〉

朝日新聞:介議家庭の実情を考えれば、公的介護保険の実施は、できるだけ早いほうがよいと思いますか、それとも、国民に新たな負担を負わせるのだから慎重にした方がよいと思いますか。

読売新聞:あなたは公的介護保険をできるだけ早く導入すべきだと思いますか、それとも急ぐ必要はないと思いますか。

毎日新聞:公的介護保険の厚生省案では、在宅介達サービスは1999年度から、施設サービスは2001年をめどに実施をめざしています。あなたはサービスを実施する時期についてどう思いますか。

朝日新聞の設問には、「国民に新たな負担」という表現が加えらており、これが、回答結果に大きな差異を与えたようにも思える。金銭的な負担を意識すれば、「慎重に」と考える人も当然増えてくるからだ。また、読売新聞には、介護保険にどんなことを期待するかという設問があり、ホームヘルパー派遣など在宅介護支援の充実を期待する声が、特別養護老人ホーム建設など施設整備を望む声の3倍強もあった。同種のアンケートでも、設問の仕方によって回答結果は大きく変わり得る。こうしたアンケート結果から、逆に、新聞社の介護保険に対する姿勢がうかがえる…?

 

 

 

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