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提案要旨

 

新しい保育サービスと保健活動

 

酒匂久美子(豊中市立桜塚保育所看護婦)

 

近年、わが国の一般的な傾向として、若い父母の子育てに関する知識の低下、いわゆる育児力の弱さが、社会的にも深刻な問題として憂慮されるまでになってきました。

そして、この問題については、国としても様々な支援事業(育児サービス)を打ち出すこととなり、保育現場においては、従来の役割に加えて、かつてない程の多様性が求められるようになりました。そして、それは保育所入所児童のみならず、地域の家庭育児の支援まで、広く展開されようとしています。

・産休明け保育     ・一時預かり保育

・長時間保育      ・施設開放事業

・緊急一時保育     ・育児相談

・障害児保育      ・育児教室

・慢性疾患保育     ・休日、夜間保育

・病児保育

・体調不良児の保育

生後間もない乳児から、就学前までの子ども達を対象とした、これからの保育の中で、発育、発達や健康面での領域は以前にも増して、大きくなってくると思われます。

保育現場に保健職(保健婦・看護婦)が配置されて数十年経過しました。全国的にはまだ一部の都市のみの配置ではありますが、それぞれの現場における地道な活動と努力により、保健業務もそれなりに確立してきました。しかし、保育所の役割の変化に伴い、私達保健職の業務もまた拡大していくことは当然のことでしょう。これからは市民が保育所を選ぶ時代です。選ばれる保育所であるためには、これら保育事業の内容の充実が求められることになります。保育所での保健職の存在は、その点においても大きな力であることは間違いありません。私達はそれらの期待に対し、的確に対応できる柔軟な姿勢とより高く広い専門性を持つ努力を続けねばなりません。そして、それらを保育という手だてを通して、地域の子育て、子ども達の健やかな育ちに役立てればと考えています。

 

 

 

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