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自然体験のびのびスクール

茨城県立中央青年の家 社会教育主事 小林 広

 

1 事業のねらい

平成8年度日・米・中の高校生の意識調査の結果が、財団法人日本青少年研究所により報告された。これによると、親友でも互いに干渉しないような付き合いをすべきであると答える日本の高校生がアメリカに比べ圧倒的に多く、人間関係の希薄さが指摘された。

また、当青年の家の位置する教育事務所管内の平成8年度の小学校における長欠児童の年度別推移によると、学校ぎらい(登校拒否)により長期欠席する児童は、前年度よりも増え過去最高となった。この背景には、児童生徒を取り巻く社会環境が変化し、戸外での遊びや、異年齢集団による遊びが減少するとともに、核家族化や少子化の傾向のため、人との関わりが十分になされていない現状があるのではないかと思われる。

そこで、これらの現状を踏まえ、豊かな自然の中で、キャンプや野外炊事等の体験活動を異年齢集団の中で行うことを通して、自然に親しむ心と自立心を育てるとともに、友達と協力しあうことで、円滑な人間関係を培うことをねらいとし、計画実施した。

 

2 事業の概要

(1)事業の展開に当たって

本事業を実施するに当たって次のことを考慮した。

1] 異年齢集団の中での活動を通して円滑な人間関係を培うようにする。

2] 主体的な体験を重視し、活動の内容等を参加者自身が決定する機会を設ける。

3] 自主性を尊重し、活動中は見守るなど、指導方法を工夫する。

4] 時間に余裕をもたせ、活動に追われることがないよう、柔軟に対応する。

5] 2期にわたる計画的な事業を実施することにより、段階を踏んだ参加を試みる。

6] 教育相談の専門家に保護者への助言指導を行ってもらう。

7] 多様な機関との連携を図る。

8] 大学生のボランティアを活用する。

(2)事業の実際

1] 第1期の活動

平成10年7月28〜29日(1泊2日)

 

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