5日間にわたって親元を離れ、共同宿泊生活を体験した子供たちは、「自分のことは自分でする」ことで、やればできるという自信を身に付けることができた。「友達のやさしさ、家族と会えない辛さ、親のありがたさ、おやつもテレビもない生活等を体験できました。これからは、自分のことは自分でするように心がけたいと思います。」は6年生男子N・I君の感想文の一部である。
具体的には、次のような成果があった。
1] 親元から離れて生活する体験を通して、親への甘えを断ち切るとともに親への感謝の気持ちを育てることができた。
2] 「あかぐえ庵」でざこ寝をする等の困難体験等を通して、耐性を育てることができた。
3] 友達と教え合ったりする相互学習等の他者との交流を通して、協力することの楽しさや思いやる心などの好ましい人間関係の在り方を育てることができた。
4] 自分の衣服の洗濯や清掃体験活動を通して、自立心を育てることができた。
5] 異年齢集団での係分担を一人ひとり明確にしたことにより、責任感を育てることができた。
6] 起床から就寝までの規則正しい生活を通して、基本的な生活習慣を身に付けることができた。
(2)課題
当センターは、「学寮」的取組による「心の教育」を推進する重要な視点として、不自由で苦労する経験や失敗経験、挑戦し試練を乗り越える経験等を児童生徒に提供することだと捉えている。
そのため、今後は、吉田町教育委員会や該当する学校、地域及び他の教育施設と更に共通理解や連携を深めながら、地域に居住する豊かな知識や専門的技術を有する人材の活用、宿泊日数延長、参加人数拡大及び複数校の合同参加についても研究を継続する必要がある。
なお、吉田町教育委員会では、次のような課題を掲げている。
1] 来年度は、実施時期や期間等、参加者について、学校の要望も取り入れながら、早い時期に実施要項を作成し、学寮実施校を決定したい。
2] 事業の円滑な推進と効果を上げるために、参加する子供たちとその保護者を集めて事前研修会をぜひ開きたい。
3] 異年齢集団の活動としての効果を高めるため、中学生までを対象として事業を計画したい。
4] 生活指導については、原則的には教育委員会や青少年研修センターの職員で対応するが、より円滑な運営をするために、保護者や該当学校教諭の本事業への補助的役割分担を考慮したい。