この反省から、来年度はベースキャンプ地を中心に克服型のプログラム、集団活動プログラムだけでなく、参加者の発想や主体性も取り入れた活動をさらに計画していかなければならない。
(4)移動ハイクのコース選定
水源地である山口神社から布目湖までの木津川の支流の布目川に沿っての移動ハイクは、吐山の里山の自然を生かしたエコプログラムの学習、里山から流れ出た水を追っての旅、ポイントを決め水質検査をしながら布目湖まで歩いたことなどから、森が水をつくること、水が生命を育むことなど学校で学習したことを実感できるコースとなった。安全性や自然環境にも恵まれたコースであった。
環境学習として、水質検査を取り入れたが、各班の参加日者は熱心に調査に取り組んだ。そして、半数近くの参加者が検査結果を学校の課題学習として提出した。
(5)スタッフ構成
スタッフの全体数、特にリーダーの数が不足している現状である。これからは、野外教育指導者・地域青年などの活用を考えていくことが必要となる。
更に活動を行う際のリーダーの活動時間や健康管理への配慮など、様々な安全対策が必要になってくる。
6 まとめと今後の課題
奈良県立青少年野外活動センターがこれまで取り組んできた『フロンティア・アドベンチャー事業』は、いくつかの成果を参加者一人一人にもたらした。それは、参加者の笑顔や再度参加させたいとの保護者の声からも感じとることができる。
本事業に関するプログラムは、今までにいくつか作られてきているが固定化されてきているので、今後、学校外活動が多様化されてくるに伴って新たなプログラム開発がさらに必要である。
また、野外活動を深めるためには、これまでのような主観的、経験論的な評価だけでなく、効果や変容が客観的で平易にわかる方法が必要である。
更に、この事業の成果は参加した青少年の一人一人の態度や行動の変容等の定着を待たなければならない。そのためには家庭との連携が大切となる。